結成20周年を迎え、6月には現在のメンバーでの再録を含むベストアルバム【SKA BRAVO】、7月には11作目となるオリジナルアルバム【F】をリリースと、バンド史上最高にアグレッシヴに活動し続ける、日本が誇るスカパンクKEMURI。Blasting Room Studiosで録音された2つのアルバムを中心に、Vocalの伊藤ふみおにその制作秘話を語ってもらった。


—前作「RAMPANT」から1年も経たないタイミングで2枚のアルバムリリースとなりましたが、今年の3月までツアーをされていたことを考えると、息つく暇もないペースで活動が続いています。そして20周年を迎えるにあたり、ベスト盤・オリジナル盤を制作するということは決めておられたのですか?

オリジナルにあたる今回の11枚目のアルバムは頑張って作ろうよと決めてました。で、過去の曲を録り直すっていうのは、けっこう後から出てきた企画です。

─20周年の一環として?

そうです、そうです。昔からKEMURIを知っていてくれてるレーベルのスタッフがいるんですけど、「今のKEMURIがすごく良いから、今のメンバーで今のKEMURIを表現できる楽曲を録り直そう」って言われたのがきっかけだったんですよ。

—そこでBlasting Room Studiosで「SKA BRAVO」と「F」のレコーディングをされたとのことですが、このスタジオを選ばれる理由を教えていただけますか?

Blasting Roomは1998年からずっと行ってるスタジオで、KEMURIが何をしたいのかっていうのを他の誰よりもよく理解してくれているスタジオなんですよね。それでBlasting Roomでまた今回も録りたいって思って決めました。

—KEMURIにとってこのスタジオは、ある意味ホームに帰ってきた感じはありますよね?

うん、本当になんか第二の故郷みたいな感じではありますね。フォート・コリンズって街も、Blasting Room Studiosっていう場所もね。

—現地スタッフの方々との信頼関係もあるでしょうし、阿吽の呼吸で成立させられる制作現場ですね。

すごくそういう感じはします。やっぱり、毎年録ってるんですよね。一昨年に「ALL FOR THIS!」、去年「RAMPANT」、そして今年「F」録って。その間にカバー・アルバム作ったり、色んなレコーディングをやってるので、さすがに録る度に「何か新鮮なものを」っていうのを向こうも考えてくれているんですよね。そういう意味では「10伝えなくても12ぐらいやってくれる」っていう感じはありますね。

─バンドのこと自体もすごく理解してくれているスタジオでもあるし、実際自分たちが打ち出したい音や表現も叶えられる環境が、このスタジオにあるっていう。

それが作る側にとって、すごくありがたい。やっぱりひとつの作品が完成すると、何枚作っても「どうだった?」「いやぁあそこのスカのカッティングの音はもうちょっとあぁかな」「スネアのレベルはもうちょっとあぁかな」とか毎回そういう話になるんですよね。それをまだまだ感覚がフレッシュなうちに向こうに帰って作れるから。

音楽って刹那刹那、その瞬間にどれだけ完全燃焼できるかっていう

【独占インタビュー】伊藤ふみお

—ベスト盤について少し触れたいのですが、2007年リリースの「BLASTIN'!」とは違い、再結成後の楽曲も含み、セレクトの幅が広がっているわけですが、特に再結成後の楽曲とコンパイルされることがすごく”今のKEMURI”を伝えることができるアルバムとなりました。セレクトされる中で、「BLASTIN'!」を何か意識されましたか?

それは特になかったですね。僕はなかったし、多分メンバーもなかったと思う。

─それよりは、ライブで演っている曲が中心となっていたので、今を形にしたような?

もちろんそれがあると思うんですよね。音楽って刹那刹那、その瞬間にどれだけ完全燃焼できるかっていう。ライブにしても新曲の録音にしても、やっぱりそれでしかないですから、一つ終わると「OK!」って。2007年に録ったときは「OK!じゃあもう解散だ」っていう感じだったし、それが今年は「OK!20年経ってまた次だ!」って。今回は幸いなことに、みんな「OK!次だ!次の何年だ、20年なのか?30年なのか?」っていう気持ちで録ったっていうぐらいの違いしかない。

—確かにそういった気持ちが、現在のKEMURIから放たれている勢いとして伝わってきます。

そうだと思いますね。長いツアーをやって「さあ終わった!」って打ち上げやって、その翌週ぐらいにアメリカ行ってもう録り始めてたから(笑)。その流れが途切れることなく、「SKA BRAVO」を録音しましたからね。それはやっぱり大きかったなぁ。

—では楽曲を録音するにあたり、メンバー同士の確認作業はあったのですか?

ライブだとね、良い意味でも悪い意味でも演奏については、多少のコミュニケーションはあるけど、基本的にはドラムに乗っかる。ただそれがスタジオ録音になった場合に、全てが自然に聴こえてきたり感じるかっていうと、そうでもない部分がやっぱりあったんですよね。

—ライブ・アルバムでない以上、ライブ特有の疾走感が、必ずしもスタジオ録音で自然にとはならない?

多くはテンポ的なことです。KEMURIの曲って、一曲の中でテンポチェンジが何回かあることが多いから、そこだけは改めてこだわった。スタジオ録音になると、ライブのノリ特有の良い意味で乱暴な部分が、不自然な悪い意味での豪快になっちゃうから(笑)。そこだけそうならないように「この曲のAメロはテンポ130、Bメロに入ると135、サビで137になって、間奏で130ぐらいまで落ちる」とか。

—かなり細かな作業ですね。

そういう部分のトラックをドラムの庄至(平谷庄至)くんが作って。なるべくそれに沿ってみんなでスタジオで練習して、違和感のないところを「OK!これならいい!」ってところを相談しました。

─それをツアー終了から僅かな期間で?

そうですね(笑)。

【独占インタビュー】伊藤ふみお

—加えて「PMA (Positive Mental Attitude) のMusic Video (SKA BRAVO Version)も公開されましたが、アメリカでのオフショットも織り交ぜられ、みなさんがタコスを召し上がっているシーンで” TACO BRAVO”という看板が写っていたのがベスト盤タイトルと重なるなぁと思って観ていたのですが?

そう!” TACO BRAVO”から取ったの。「SKA BRAVO」っていうタイトル。カリフォルニアにあるキャンベルっていう街で、サンノゼ空港から20分ぐらい走ったところなんですけど、「Little Playmate」を収録したスタジオのある街なんです。

—その当時からのお店なんですね。

いつも「TACO BRAVO」を通って車でスタジオに行ってたの。安くて量が多いから、録音し終わった後、毎晩のようにみんなで食べてたんですよ。未だに地元の大人気店としてそこにあるから、それで” TACO BRAVO”とかけて(笑)。

─(笑)。変わらずずっとその街にあるっていうのは嬉しいですよね。

嬉しかったですね。味も変わらず美味しかったし!

もっと剥き出しでカッコつけないで、叶えたい新しい夢があってやってる

—そして「F」の話を伺っていきたいのですが、楽曲や歌詞、アレンジ・サウンド面など、制作においてアルバムの指針となるようなものは、日本で作って行かれたのですか?

楽曲は基本的には全曲できていたし、サイズと構成についても殆ど決まっていましたね。ギリギリで全然違うようになった曲も1,2曲はあったのかな。だけど、日本で大枠作って行って、歌詞は半分強は作っていたかな。

【独占インタビュー】伊藤ふみお

—なるほど。それをレコーディング時に固めていかれたと思いますが、先に「SKA BRAVO」を制作したことで、「F」に作用したことはありますか?

ありました。一番個人的に感じてたのは歌詞ですね。やっぱりファーストアルバム、セカンドアルバムの曲の再録が多いでしょう?改めて歌詞を前に歌入れをすると、すごくあの当時の自分を思い出したし、あの当時の自分に語りかけられているような、不思議な気持ちになった。

—確かに、ある意味過去の自分と向き合うことですよね。

セカンドアルバム録音した98年でも、まだ何にもなかったし、大きな会場でライブを演ってたわけでもなかったしね。まだまだ夢を叶えたい人たちがやってるバンドで、夢を叶えたい人が歌ってる歌だったから、すごく心に響いたし、考えさせられるものがあって。

─当時の歌詞から、そういったリアルな自分に気づかされた?

そうですね。あれから20年近く経ったでしょう?改めて、KEMURIを再結成までして「自分はどういうことがやりたいんだろう、みんな何がやりたいんだろう、何をみんなとやりたいんだろう」とか考えちゃって。自分の言葉の使い方とか色んなものに、多少カッコつけ始めて、しばらく経っちゃったみたいな部分を感じたわけ。

—ただそれは20年分の知識や経験が、感性となっていったものではないのですか?

それもありますけど、例えば言葉の一つを取っても、すごい悪い言い方をすると、若干上から目線の自分がいるみたいな(笑)。新しい曲の歌詞に、先輩目線みたいなものを感じたわけよ。歌ってることは基本的には自分でも共感できることなんだけど、もっと剥き出しでカッコつけないで、夢叶えたい人なんだから、叶えたい新しい夢があってやってるはずだから、その気持ちをもっと自分でリアルなものにしたくて、全部書き直したんだよね。

取材:2015.06.22
インタビュー・テキスト:Atsushi Tsuji
photo:Hiromi Morimoto


【リリース情報】

■KEMURI / F 2015年07月15日

>>Amazonで購入

【独占インタビュー】伊藤ふみお

[CD] CTCD-20026 2,500円(税抜)初回紙ジャケット仕様
[CD+DVD] CTCD-20025/B 4,200円(税抜)初回紙ジャケット仕様


■KEMURI / SKA BRAVO 2015年06月17日

>>Amazonで購入

【独占インタビュー】伊藤ふみお

[CD] CTCD-20024 2,500円(税抜)


【独占インタビュー】伊藤ふみお

[CD+DVD] CTCD-20023/B 4,200円(税抜)



【ライブ情報】

< DOBERMAN presents MOONSTRUCK JAMBOREE 2015 >
2015.07.18 開催
< JOIN ALIVE >
2015.07.19 開催
< FUJI ROCK FESTIVAL '15 >
2015.07.25 開催
< rockin'on presents ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2015 >
2015.08.09 開催
< Sky jamboree 2015 〜one pray in nagasaki~>
2015.08.23 開催
< BAYCAMP 2015 >
□2015.09.05 開催

<KEMURI 20th Anniversary Japan Tour “SKA BRAVO” 2015/9/25~2015/9/27>
□9/25 (金) 17:30/18:00 大阪 なんばHatch SMASH WEST 06-6535-5569
□9/26 (土) 16:30/17:00 名古屋 ダイアモンドホール JAIL HOUSE 052-936-6041
□9/27 (日) 16:30/17:00 東京 新木場STUDIO COAST SMASH 03-3444-6751
*料金:前売¥6,000・ドリンク代別

■大阪公演:ローソン(L:56880)・ぴあ(P:256-212)・e+・TOWER RECORDS(梅田大阪マルビル店/梅田NU茶屋町店)
■名古屋公演:ローソン(L:45987)・ぴあ(P:256-315)・e+
■東京公演:ローソン(L:70120)・ぴあ(P:256-061)・e+・岩盤
企画制作:フルドラゴン/avex music creative/SMASH
お問合せ:03-3444-6751(SMASH) PC http://smash-jpn.com MOBILE http://smash-mobile.com

<KEMURI 20th Anniversary Tour 2015「F 2015/10/4~2015/12/20>
□10/4 (日) 16:00/17:00 札幌 ZEPP SAPPORO SMASH EAST 011-261-5569
□10/10 (土) 17:30/18:00 神戸 VARIT. SMASH WEST 06-6535-5569
□10/11 (日) 17:30/18:00 京都 MUSE SMASH WEST 06-6535-5569
□10/16 (金) 18:30/19:00 千葉 LOOK SMASH 03-3444-6751
□10/17 (土) 17:30/18:00 熊谷 HEAVEN'S ROCK SMASH 03-3444-6751
□10/18 (日) 17:30/18:00 さいたま新都心 HEAVEN'S ROCK SMASH 03-3444-6751
□10/22 (木) 18:30/19:00 水戸 LIGHT HOUSE SMASH 03-3444-6751
□10/23 (金) 18:30/19:00 宇都宮 HEAVEN'S ROCK VJ-2 SMASH 03-3444-6751
□10/24 (土) 17:30/18:00 柏 PALOOZA SMASH 03-3444-6751
□10/31 (土) 17:30/18:00 松本 Sound Hall a.C FOB新潟 025-229-5000
□11/1 (日) 17:30/18:00 金沢 Eight Hall FOB金沢 076-232-2424
□11/3 (祝) 17:00/18:00 新潟 LOTS FOB新潟 025-229-5000
□11/7 (土) 17:00/18:00 横浜 Bay Hall SMASH 03-3444-6751
□11/8 (日) 17:30/18:00 浜松 窓枠 JAILHOUSE 052-936-6041
□12/5 (土) 17:30/18:00 仙台 Rensa GIP 022-222-9999
□12/6 (日) 17:30/18:00 盛岡 CLUB CHANGE WAVE GIP 022-222-9999
□12/12 (土) 17:30/18:00 長崎 DRUM Be-7 BEA 092-712-4221
□12/13 (日) 17:00/18:00 福岡 DRUM LOGOS BEA 092-712-4221
□12/19 (土) 17:30/18:00 広島 CLUB QUATTRO YUMEBANCHI 広島 082-249-3571
□12/20 (日) 17:30/18:00 高松 DIME デューク高松 087-822-2520
*料金:オールスタンディング¥4,000(10/4 ZEPP SAPPOROのみ、1Fオールスタンディング¥4,000/2F指定席¥4,500)
*全公演ドリンク代別
*小学生以下は保護者同伴に限り、入場無料。ただし2F指定席の会場で、お席が必要な場合は有料。
<一般発売> 7月11日(土) 全国一斉発売開始
■札幌公演 チケットぴあ(P:265-546)・ローソン(L:14733) ・e+(pre:7/1-5)・タワーレコード札幌PIVOT店
■京都公演 チケットぴあ(P:265-379)・ローソン(L:59836) ・e+(pre:6/16-24)
■神戸公演 チケットぴあ(P:265-379)・ローソン(L:59836) ・e+(pre:6/16-24)
■千葉公演 ローソン(L:70511) ・e+(pre:6/16-22)・チケットぴあ(P:265-515 )
■熊谷公演 ローソン(L:70512) ・e+(pre:6/16-22)・チケットぴあ(P:265-515 )
■さいたま公演 ローソン(L:70513) ・e+(pre:6/16-22)・チケットぴあ(P:265-515 )
■水戸公演 ローソン(L:70517) ・e+(pre:6/16-22)・チケットぴあ(P:265-515 )
■宇都宮公演 ローソン(L:70518) ・e+(pre:6/16-22)・チケットぴあ(P: 265-515) ■柏公演 ローソン(L:70520) ・e+(pre:6/16-22)・チケットぴあ(P:265-515 )
■松本公演 チケットぴあ(P:265-872)・ローソン(L:71861) ・e+(pre:6/27-7/2)・FOB TICKET
■金沢公演 チケットぴあ(P:265-870)・ローソン(L:51805) ・e+(pre:6/27-7/2)・FOB TICKET
■新潟公演 チケットぴあ(P:265-873)・ローソン(L:71867) ・e+(pre:6/27-7/2)・FOB TICKET
■横浜公演 ローソン(L:70521) ・e+(pre:6/16-22)・チケットぴあ(P: 265-515)
■浜松公演 チケットぴあ(P:265-648)・ローソン(L:47953) ・e+(pre:7/4-6)
■仙台公演 チケットぴあ(P:264-723)・ローソン(L:23280) ・e+(pre:6/16-7/1)
■盛岡公演 チケットぴあ(P:264-723)・ローソン(L:23280) ・e+(pre:6/16-7/1)
■長崎公演 チケットぴあ(P:265-657)・ローソン(L:86235) ・e+(1次pre:6/16-21・2次pre:7/1-5)
■福岡公演 チケットぴあ(P:265-657)・ローソン(L:86236) ・e+(1次pre:6/16-21・2次pre:7/1-5)
■広島公演 チケットぴあ(P:265-824)・ローソン(L:69013) ・e+(pre:6/29-7/2)
■高松公演 チケットぴあ(P:266-040)・ローソン(L:69033) ・e+(pre:6/16-23)・d-ticket

【アーティスト情報】

●20th Anniversary Special Site

http://onecircle.jp/kemuri20th/

●Web

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